研究内容RESEARCHES

広島大学大学院先進理工系科学研究科 スマートイノベーションプログラム
スマートロボティクス研究室 教授
石井 抱 Idaku ISHII
>> 研究テーマ
1秒間に1000コマ以上の実時間画像処理を実現する高速ビジョン技術を始めとして、人間の感覚能力を遥かに上回る実時間センシング技術の確立を目指した情報システム/デバイスの研究開発を行うとともに、高速化・集積化を念頭においたアルゴリズムの研究、さらには人間には感じとることが難しい振動ダイナミクス等の情報を積極的利用した新たなセンシング技術の実現を目指します。

力可視化メカニズムの内視鏡外科用器具への応用

内視鏡手術用器具の問題として,どの程度の力が臓器に加わっているか判断が難しいことが挙げられる。これらの器具はトロッカーの挿入口の大きさに制限され一般に細長い形状となり,小さい部品で構成されている。さらに生体の中で使用可能な材料は多くはない。ゆえに,力センサ等を取り付けることは容易ではなく,力を提示する方法は課題として残されている。 そこで本研究では,電気的なセンサやアンプ等の装置を一切使用することなく,力を視覚的に提示する方法を提案する。提案する方法は、力によって生じる微小な変位に着目し、その変位をモアレ縞により視覚的に拡大し力の大きさを可視化するものである。

5mm鉗子の手元部および,10mm鉗子の先端部に力可視化メカニズムを実装した。それぞれ,力に応じ「stop」や「123」の文字を表示することができる。

5mm
5mm鉗子の手元部に実装(力に応じ「stop」と表示)

10mm
10mm鉗子の先端部に実装(力に応じ「123」と表示)

5mm鉗子 力に応じて「stop」と表示 5mm鉗子 力に応じて「stop」と表示
MPEG動画(容量2.5M)再生
10mm鉗子 力に応じて「123」と表示 マショマロを把持 10mm鉗子 力に応じて「123」と表示 マショマロを把持
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